大概の場合過換気症候群の既往がある場合は酸素の濃度の理屈から相反しますが鎮静させるために笑気麻酔を併用いたします。
歯科治療下の興奮を抑えるためです。
特に抜歯下においての患者さんの不安は相当なもので脈拍と血圧が異常に上がっているので効果的といえます。
昨日の女性(age:36)の患者さんは上顎の親知らずの抜歯で前回軽いデンタルショックを経験していたので用心のため下顎の水平埋伏知歯では最初から笑気麻酔を使用し、伝達麻酔と浸潤麻酔を行いました。
脈拍、呼吸がすこし荒くなり口唇が白くなったのですぐに100パーセント酸素に切り替えましたが、さらに呼吸が荒くなり、顔が紅潮し冷や汗、脈拍が激しくなりました。
診療室に私の「ビニール袋!」という声が響きます。
早急にビニール袋での再呼吸に切り替えました。
過換気症候群です。
このような場合は酸素濃度の多い方か少ない方かを早急に判断しなくてはいけません。
1~2分ほど再呼吸をすることで落ち着きを取り戻しましたので10分ほどいろいろとお話をし、落ち着いた後抜歯することが出来ました。
今回のような症状は初めてとのことで事前の説明と緊張緩和が不十分だったと反省した次第です。
(ご本人のブログ掲載承諾を得ております)