滅多にあることではありませんが下顎の智歯の舌側の骨は非常に薄い場合や無い場合があり、力の加減をしてもヘーベルの圧力で口腔底に迷入することがあります。
私も4~5例経験していますが先日の土曜日の場合もまさにそれでした。
ぐっとヘーベルを入れたと同時に歯が視界から消えます。
タラッと冷や汗が出ます。
口腔底を触診すると咽頭方向に出っ張りがあり迷入していることが分かります。
わずかに抜歯窩からのぞけたのでつついてみるものの鋭匙や鋭匙ピンセットでもどうにも遠くて届きません。
かといって骨を大きく削ると術後の腫脹が激しいため容易にはできないということもあります。
結局のところ口腔底を電気メスで空けた後抜歯窩から探針でそのまま舌側方向へ押し出して口腔外に取り出し縫合しました。
以前も5番方向まで指で移動させ切開後取り出したことがありますが術後の腫脹は思いの外軽度です。